23歳⑤
23歳についてまた思い出したことがある。
家の中では、たしくおばあちゃんとお父さんが両方認知症がだんだんとひどくなっていった。
両方同じタイミングで、お漏らしをするようになってたと思う。
それでお母さんがいつも発狂してぶちギレてた。
お父さんもおばあちゃんも中々いう事をきかなかった。
だからお母さんはいつも怒ってた。
お父さんとおばあちゃんにやり返すように意地悪をして笑ってたりもした。
私はそこに言いたい事がたくさんあったけど、自分もまためんどうな事になる気がして、ぐっとこらえた。
毎日毎日見たくない光景だった。
家に帰りたくなかった。
お母さんを全く手伝わなかった。
そんな自分をずっと責めてた。最低だなって思ってた。
だから、最低なら最低のまま最低な生き方をしようと思ってた。
家の中の事は誰にも言えなかった。
周りからしたら、私はいつも遊んでて何も考えてなくて、人生楽しそうなやつだったと思う。
孤独だった。
孤独な自分にも気づかないくらい、外側でうめようとしてた。
そういえば、高校からの友達のハーフとゆうきは知り合いだった。
知り合いだったからこそ、やっかいだった。
ハーフは意地悪で、平気で私の顔に泥を塗る事をいうし、すぐ馬鹿にしたりしてくるから。
ゆうきにやきもちやかそうと、ゆうきの前で私にベタベタしてきたこともあった。
私もゆうきがやきもちやくの分かってたから、嫌がらなかった。
色々、心がくるってた。
人が傷ついたりやきもちやく瞬間が、快感だった。
私はそうやって色んな人から奪っては満たそうとしてたんだと思う。
そういえばゆうきと、同じ派遣の同い年の子が同じ中学だった。
今思うと、縁ってすごいなあって思う。
あのタイミング、あの縁。全て意味があったんだなあって。
私はゆうきと付き合いながら、ゆうきを恥ずかしい存在だと思ってた。
お父さんの時のように。
これから、私が人生においてまた心がえぐられるような事が続くなんて思ってなかった。
私は刹那的に、目の前の楽しみや快楽を選ぶことしかできなかった。