高校3年生思い出したこと

そういえば、高3の終わりに、おじいちゃんが天国に行った。

おじいちゃんは認知症になって、よく自転車でどっかに行って、警察から電話がかかってきてた。

おじいちゃんはヨチヨチ歩きになってた。

私はおじいちゃんの変化を、おお・・って思いながら、でも、それどころじゃなくて、いつも他の事でいっぱいいっぱいだった。

もっとおじいちゃんがいる時におじいちゃんちに行けばよかったし、

おじいちゃんが入院してる時に会いに行けばよかった。

お母さんがご飯を作って持ってく時にもっと一緒に行けばよかった。

 

おじいちゃんが入院して死ぬ少し前に、会いに行った。

おじいちゃんはすごくガリガリに痩せてた。

私と分かったみたいで、お母さんに、かなが来てくれて嬉しい、来てくれると思わなかったって言ってたらしい。

 

”来てくれると思わなかった”

これがおじいちゃんの私への罪悪感なのだと思う。

 

おじいちゃんも私にもっと歩み寄りかったのかもしれない。

おじいちゃんはすごく苦手だった。

お父さんの娘として私をワガママとか太ってるとか否定してくるから。

おじいちゃんは不器用だったのかもしれない。

 

お母さんは一人っ子だから。

お父さんと結婚して、実家に中々帰らなくなって、きっと寂しかったんだろうなって思う。

私が転校したのも、お母さんが実家に戻るためだよね。

 

色んなことに巻き込まれてたなって思う。

 

 

おじいちゃんのお葬式は、色紙にいっぱいメッセージを書いた。

兄の嫁たちが私を見て不思議そうにしてた気がする。

私は中々会いに行かなかった罪償いをしてるような感じだった。

 

初めて人が燃やされて骨になったのを見た。

こんな風になるんだって思った。

骨を見て、ものすごく寂しい気持ちになった。

もうあの肉体とは会えないんだ、もうおじいちゃん死んだんだって。

 

 

おじいちゃんのお葬式の会場まで、お父さんの運転で2人でいった。

お父さんは道を逆走しかけたり、危ない運転をした。

私が注意したら、お父さんも怒った。

 

お父さんの認知症も始まってた。

 

 

お父さんはある時、お母さんと大喧嘩した時に、玄関に鍵を閉められてた。

お父さんはベランダから入ろうとして(1階だったから)

ほんの15cmくらいの段差をものすごく怖そうに降りられなくなってた。

あの時からおかしくなってたんだと思う。

お父さんはよく寝るようになった。

ずっとずっと、寝てた。

私はそれでよかった。

 

お父さんがボケた感じが分かってきて、喜んでる私がいた。

自由になれる、そんな気がした。

早くボケたら、死ぬかもしれない。

お父さんが死ぬことを待ち望んでる私もいた。

そしてそんな自分に罪悪感がわいた。

 

 

いろんなことをされたし、いろんなことがあった。

でもなぜ私が憎しみや殺意をいだくかなんて、誰も分かろうとしてくれなかった。

私がどれだけズタズタになっても、憎しみや殺意をいだいたら、

私が全悪になる。そんな世界だった。

だから死ぬかもしれないって喜ぶ自分を、責めるしかなかった。

お前の悲しみや傷なんてどうせ分かってもらえないから、お前がそうやって思うことは最低でしかないんだよ。

自分が自分にそう言ってる気がした。

 

おじいちゃんは、1番目のお兄ちゃんを息子のように大切にしてた。

だからお兄ちゃんが1番悲しそうだった。

お兄ちゃんは、おじいちゃんに特別扱いされても、素直にそれを喜べていいなって思った。

私はお父さんに特別扱いされて、人間界から排除されたから。

 

みんなは良くて、私はだめ。そんな世界だった。

 

 

他にも、学校で、ななみが私の親に霊感があるという話を部活の友達に話したせいで、少し噂になってしまった。

お母さんはよく霊視をして、あってるのか分からないけど、

窓が見えるからここからよく霊が出入りしてる、とか言ってた。

 

私はずっとそういう環境で育ってきてたから、ずっと親のそういうのを信じてた。

信じてたし、誰かに話したい自分がずっといた。

 

 

クラスの男子がさっそくその話をしてきて、みてよ!!と言われた。

私も、お母さんがしたように見てみて、窓が見えた気がしたから、

窓があるでしょ?って言ったら、

窓がある!?あるに決まってんだろwwwwwって言われて、

みんなから爆笑された。

そこから、嘘霊媒師って呼ばれるようになった。

私は悲しかった。

親ごと否定された気がした。

どこまでも私はバカだなあって思った。

 

 

他のクラスの女の子が、こういう悩みがあるから見てほしいとか、

チャーミィキティの男が、家がさんざんだから見てほしいと言われて、

もうやりたくなかったけど、お母さんに頼みながらしぶしぶ見たり、

どうせ信じてもらえないんだろうなって思いながら、伝えた。

家の神砂もあげた。

チャーミィキティの男には塩をかけてあげた。

 

 

私の家で当たり前のことを外ですると、怖くてたまらなかった。

早くみんなが忘れますように。そう願った。