専門1年生①

4月になって、専門学校が始まった。

通勤の電車がめんどくさすぎて、早いうちに後悔した。

 

専門学校は高校の時より、もっと新鮮だった。

服装も髪型も自由なのもあったけど、みんなほとんど友達がいない状態だったから。

高校はクラスは違えど、知り合いはいたから。

 

私は同じクラスで真っ先にかわいい子を見つけた。

可愛い!!!!この子と仲良くなりたい!!

そう思ったのがかよぽんだった。

そしてもう1人、同じにおいがする子がいて、それがゆきちゃんだった。

私達は3こ1になった。

私はなんとなくでファッションの専門学校に入ったけど、

クセの強い子がめちゃくちゃいた。

陰キャラの癖強いやつがいっぱいいた。

だから、同じにおいがするのは、かよぽんとゆきちゃんだけで、

私達は浮いてた。

私は中2以降、どんどんと人を見下すようになってたから、見下してたと思う。

でも、朝駅で同じクラスの子とばったしあったりしたときに、

おはよう!って歩み寄ったら、愛想笑いされて流されたから、

こいつらまじあわねえってなって、早々心が閉じた。

 

 専門学校はとにかく大変だった。

課題に追われるし、私は元から裁縫が得意でもなんでもなかったから、

ミシンの使い方とか、パターンの引き方とかわけが分からなかった。

先生が外国語を話してるんじゃないかの勢いで分からなかった。

毎日大荷物で通って、雨の日は紙袋が信号のど真ん中で破れて紙が道路に散って、心が砕けた。

 

私はさっそく気になる男ができた。

関西弁で違う県から一人暮らしできてる男だった。

私は恋に恋するから、そいつと電話したり、そういうのが楽しかった。

私の好意はすぐにバレる。

同じクラスの男子に相談してたら、ある時、クラスのみんなの前で、

●●のこと好きなの?ってわざわざ大きな声で言われた。

こいつは突然人を突き落としてくる変なとこがあった。

そしたら私が気になってた男を好きな陰キャラ女がもう1人いて、私に小さな喧嘩を打ってくるようになった。

私はめんどくさくなって、好きになるのをやめた。

 

専門がクラスの人たちも先生もクセの強いやつらばかりだった。

私は専門に通ってもなお、チクリ病が治らなくて、先生の授業のペースが速すぎるってお母さんに愚痴って、お母さんが学校に電話して文句を言ってた。

 

 

専門にはたまに、どん小西が先生として来てた。

 

専門学校は中学や高校の時みたいな強烈な深い傷とかはなかった。

陰キャなだけあって、ものすごい攻撃とかはされなかった。

でも、ものすごく陰湿そうだった。

毎日眠すぎて、メイクするのも髪をセットしていくのもめんどくさくなっていった。

ゆきちゃんとかよぽんと一緒にいるの、楽しかった。

2人は今までにない感じの子で、この学校にくるだけあって、感性がよくて、二人が作り上げるものを見ては、素直にすごいなって思った。

 

私はなぜだか分からないけど、最初ゆきちゃんの事をあまりよく思ってなかったのに、ゆきちゃんにベタベタするようになった。

ゆきちゃんはなんだか毒が強くて、すぐ人の事を言いふらしたりしそうだったから。

でもなぜか、ゆきちゃんにベタベタしてた。

 

夏は3人でお祭りにいったりもした。

楽しかったなあ。

 

私の性格のゆがみはあの時ひどかったから、すぐ人の悪口をいったり、

人を見下したりして笑った。

 

かよぽんは自由人なのに、ものすごく繊細で、突然長期連休に入る事がよくあった。

やめちゃうのかなっていつも思ってた。

 

 

専門の飲み会で仲良くなった、V系の年上の女の子に、たくさんピアスをあけてもらった。

ピアスを開ける瞬間の鋭い痛みが快感だった。

 

私は高校のなごりで、自分を自虐して笑いをとるところがあった。

だから目があったら変顔したり、いつもおもしろい女友達枠になってた。

 

 

かよぽんは付き合って長い彼氏がいた。

ゆきちゃんはずっとフリーだったから、ゆきちゃんを誘って、よく高校の男友達たちと遊ぶようになった。

私はかよぽんに対して、彼氏がいるんだから他の男と遊ぶなよ、みたいな圧をかけてた。

 

私は夏くらいから、高校で1番仲が良かった男友達のとしきのことが好きになった。

好きというか、今思えばいつもの恋に恋してる感じだったけど・・。

私がとしきのこと好きなのは、すぐにみんなにバレた。

みんなでよく飲み会をしたり、お泊りしたり、クラブに行ったりして楽しかった。

いつものメンバーの一人に、ハーフのイケメンがいたんだけど、

そいつは口が軽いし人をすぐいじるし馬鹿にするし、私の事もすぐ馬鹿にしてきた。

 

としきのことはしばらく好きだった。

としきはまじで性格が良くていいやつだった。

でもとしきも、私が好きになったら、優越感に浸って私を避けたり冷たくしたりするようになった。

としきは風俗にはまってて、私はどうしちゃったのって止めてたけど、余計なお世話のように言われた。

酔った勢いでとしきの手をつかんだら思いきりフリ外されたし、

2人で遊ぼうって誘ったら、私と一緒にいると恥ずかしくてみんなに馬鹿にされると言われた。

 

18歳の私はここにきてもなお、こんな扱いをされた。

 

ある時にとしきに電話で告白をした。

すごい好きだったよって。

そこからなんか、和解した。

私は告白した自分にときめいてたけど、心の奥で、私の好意に対して調子に乗ったとしきに憎しみを感じてた。

としきだけじゃない、過去の男、全部。

 

 

ハーフととしきは学園祭にも来てくれた。くそつまらん学園祭だったのに。

 

 

ゆきちゃんも誘って汚い海で花火もした。

なんだかんだ楽しかった。

 

 

私は高校の男子たちから、としきのことを好きなのをいじられたり、ネタにされてた。

生きづらい世の中だと思った。

いつも不利な立場になるなあって思った。

 

 

プライベートでは、キャバクラに初めて働きに行ったけど、

待機中に爆睡しすぎて帰らされた。

たくさん飲みに行ったし、なんかあんまり覚えてないけど、色んな男と会った気がする。

そういう事にはならなかったけど、途中までとか、2人で遊んだりとかした。

でも付き合うとかはならなかった。

 

 

バイトは、ハンバーガー屋と、お好み焼き屋の2つをかけもちしてた。

お好み焼き屋は、1個上の先輩が店長をやってて、みんな年が近くて本当に楽しかった。

1個上の先輩は、頭がふっとんでて、いつもおもしろくて爆笑してた。

みんなで飲みに行ったりした。

そこには中3の時仲良かった、まりもいた。

まりとは仲良かったけど、心のどこかでやっぱり嫌いだった。

店長はディズニーが大好きで、みんなでディズニーランドもいった。

専門は辛かったけど、プライベートは色んな人と交流して、楽しかった。

 

 

でも、私はよく、ふと我を忘れて、意識がどっかにいって、

イライラと憎しみに襲われることがあった。

バイト中でもあった。

誰かにそれを見られた時、すごく怖い顔をしてるって言われた。

その時は、声をかけられても中々気づけないくらい、憎しみに集中してた。

 

すぐ不機嫌になったし、態度に出したり、愚痴ったりしてたから、すごく変わった子だと思われてたと思う。

 

 

今思えば、中学高校のたくさんの傷で私は壊れ続けてたなあって思う。