専門2年生①
2年生になってから、いつごろか忘れたけど、かよぽんは学校をやめた。
かよぽんはよく病んでた。
学園祭の時も、病んで教室にひきこもって寝てた。
私はゆきちゃんと2人でいたかったから、やったーって思ってた。
かよぽんが病んでたの、私のせいでもあるよね。
本当にごめんなさい。
どうして私はすぐこういう事をしちゃうんだろうね。
2年生になって、私は2年間コースだったから、就活が始まった。
当時就職難で、愛知でデザイナーの募集なんてほとんどなかった。
私は勉強できなかったし、パターン検定も落としたし、心のどこかで、もう無理なんだろうなって思ってた。
東京に行く勇気もお金も余裕もなかったから。
販売員も嫌だった。給料が安そうだったから。
私はあれこれ嫌、嫌と、言っていた。
1件だけデザイナーの募集があった。
ゆきちゃんはそこをうけた。
私もうけたら?と先生に言われたけど、1人しか採用しなくて、
私は自分が落ちる瞬間と、ゆきちゃんが優越感に浸る瞬間が怖くて、
私はいいや!!!と断った。
ゆきちゃんにはベッタリだったけど、いつも無言の圧というか、馬鹿にされてる感じがして、イライラしてた。
だから受かっても落とされても馬鹿にされると思って怖かった。
で、ゆきちゃんは合格した。
私はいっつもゆきちゃんと2人でいた。
何話してたか覚えてないけど、毎日2人で人の悪口や、愚痴を大声で話して、人をバカにして爆笑してた。
私はみんなの事を見下してたから、大声でそんなこと言ってても、
は?おめーらは黙ってろや、くらいにしか思ってなかった。
学園祭とか、姉妹校のパティシエ希望の子が作るデザートを食べたりとか、楽しかった。
たまに学校の前にくるレッドブルの車も嬉しかった。
ボタンの穴をあけるためとか、布を買いに、自転車で名古屋の街を走るのは楽しかった。
自転車に乗りながら、いつも思ってた。
人って邪魔だなあって。
目の前歩くなよ、引くぞっていつもイライラした。
私、専門楽しかったはずなのに、こんな性格悪くてイライラしてたんだなって思った。
担任のことも嫌いだったから、担任の似顔絵をネタのように黒板に書いて、馬鹿にしたりしてた。
ゆきちゃんは爆笑してた。
仲の良いクラスの男子はまじで性格悪いなって言いながら、爆笑してた。
2年生になって、隣のクラスの子と合体した。
一人めちゃくちゃイケメンの男がいた。
しょーくんだった。
私はたしか、その時としきにぞっこんだったから、視界に入ってなかったし、イケメンは潜在的にあきらめてたから、友達としてしか見てなかった。
しょーくんは私によく話しかけて、歩み寄ってくれてた。
めちゃくちゃ自意識過剰かもしれないけど、多分好かれてた。
しょーくんは私を花見に誘ってくれたりした。
しょーくんの友達がたくさんいた。
話したことのない別のクラスの男の子もいた。
お酒を飲んで、楽しかった。
でも、その後、そこであった他のクラスの男の子とは学校でも話さなかった。
ゆきちゃんが馬鹿にしてたから。
他にも、しょーくんはイベントの主催とかをしてたから、よく誘ってくれた。
しょーくんに学校終わりにカフェでも行こうって言われた時があった。
私はいいよーって言っておきながら当日その時間になって、
しょーくんから電話かかってきた時に、
あ、ごめーんバイトだったって、しょーくんの気持ちを裏切ったことがあった。
私は、ふっ、って、優越感で、ばーかみたいな気持ちがあった。
私はこういう事をしてしまう事が本当によくあって、やめられなかった。
しょーくんはその犠牲者だった。めっちゃイケメンだったから、普通に付き合えばよかった。
そういう事じゃないのも分かってる。私は狂ってた。
他にも、またバイト先のみんなでディズニーに行ったり、
お祭りの屋台のお手伝いをしたりした。
私は承認欲求がゆえに、本当に変なことをしてしまったり、ダサい恰好や、?って思われる事をすることが多かったと思う。
でも人に指摘されても、は?てめーが私になんか言ってくんくんなやって、見下した。
バカだバカだ、本当にバカだった。
学校終わりにプリクラを取りに行った時に、財布を盗まれた事があった。
プリ機に財布をおきっぱにしたのを忘れて、取りに戻ったらやっぱりなかった・・
めちゃくちゃ落ち込んで、ゆきちゃんがお金を貸してくれた。
私はものすごく不機嫌な時は全開に態度に出してたから、友達に甘えてたなあ、と思う。
専門2年の学校の旅行は東京に行った。
ものすごく楽しかった。
ゆきちゃんと東京をウロウロした。
私はずっと学校をやめたかった。
なんでやめたかったか覚えてないけど、すごくやめたいとお母さんに言ってたのを覚えてる。
多分、やりたくないことをやってたからだし、忙しいし、ストレスでいっぱいだったから。
自分で、自分がやりたいことがデザイナーではないって分かってた。
お母さんは、好きにしていいよって言ってたけど、私は自分で決断するのが苦手だったから、できなかった。
もうやめなさい、って強く言われて、自分の意志ではなくて言われたからそうする、ということしかできなかったから。
自分で決断したら、罪悪感とか後悔とかがこわかったから。
だから結局私はやめなかった。
ある時、お好み焼き屋のバイト先に高3でうつ病になった時の男が食べに来た。
専門に入ってから、この男と1回関係をもった。
その時もやけくそになってて、車の中でした。
向こうはゴムつけてなくて、後日生理が中々来なくてめちゃくちゃ病んだ。
そのことを伝えても真剣に心配してくれなくて、こんなことなれっこだったけど、病んだ。
そんなことがあっても私はこの男と仲良くしてた。
それで、その男は職場の先輩とご飯を食べに来た。
その職場の先輩は私のことを可愛いって勘違いして、アドレスを聞いてきた。
1番長く付き合った、あつしとの出会いだった。