23歳④
私が年始に太って突き落とされる前に、こんなことがあった。
まず、同じ室のイケメンの男の子が、会社のハンド部で有名だったんだけど、
その人と言い感じになったことがあった。
私はその人はイケメンすぎて、かっこよすぎて、私には無理だと思ってたから、飲み会ではベタベタしたり、仲良くするのに、自ら壁を作ってた。
その人も、私の事をなんだか気になってたのは、分かってた。
この距離感で、私は良かった。
だって好きになったらいつもうまくいかない人生だったから。
あるハンド部の試合を見に行った時に、最後にハンド部の人たちが観客にタオルを投げる、というイベントがあった。
私はその人をめちゃくちゃ応援してたんだけど、その人が私にタオルを投げてきた。
私は嬉しかったし、そこで色々察した。
でも、なんでか覚えてないけど、それ以上の進展はなかった。
私の中で近くなりすぎたくなかったんだと思う。
ちょうど太ってきてたし。
この男の人は、仕事して最初のころ、隣の席だった。
隣の席なのに、全然話せなかった。いつも無言だった。
かっこよすぎて、逃げたかった。
そんな人が、私にタオルを投げてくれた。嬉しかった。キュンキュンした。
他にも、クラブで逆ナンした男と別れてからは、ゆうきから毎日連絡が来るようになった。
これがまたやっかいだった。
ゆうきのアタックはすごくて、いつも私を自分の友達と会わせようとしてきた。
そして1番やっかいだったのが、ゆうきの親友が高2の時に私の初体験をやり捨てした人だった。
うわ・・・って思った。
私はあれ以降、ヤンキーと絡むのを拒否してた。トラウマだったから。
ある会社の飲み会の後に、ゆうきから連絡が来て、ゆうきが迎えに来てくれた。
それで、連れていかれるがままに飲み屋に行ったら、そこにあの男がいて、絶望した。
うわ・・まじかよ・・・やばいじゃん・・。
でも、男はゆうきが私の事好きなのを知ってるからか、空気を呼んだからか、静かにしてた。
一人、すごく可愛い女の子がいた。
これがじゅんちゃんとの出会いだった。
ゆうきには元カノとの間に、認知してない子供がいた。
それを話されるたびに、知らんけどって思ってた。
思ってたし、付き合う気はまるでなかった。
ただ、私にぞっこんな姿勢が私にとって優越感なのと、一つの居場所となってた。
私はゆうきに結構冷たい態度とか、むかつく態度をしてたと思う。
たまにゆうきは、お前ほんとむかつくよって言ってきたけど、それでも私を追いかけてきた。
ゆうきと毎日連絡をとりながら、私はキャバで一目ぼれをしただいぽんをまた追いかけるようになった。
バレンタインまでに痩せて、チョコをあげる!!!と決めてた。
だいぽんはいつも私を振り回して、傷付けてくる。
でも、私は追いかけた。
久しぶりにだいぽんに会って、お酒を飲んで、ちゅーして、チョコをあげた。
その空間が、幸せだった。
でも、やっぱり傷つく事が多くて、私はだんだんと、ゆうきに心が惹かれるようになった。
私はいつも、顔タイプじゃないじゃんって最初思うのに、
好きになってくると、あれ、タイプだった、って気づくことがあった。
ゆうきもその一人で、良く見ると、元カレと顔の構造がよく似てた。
ゆうきからは何回か告白されて、いつも振ってた。
でも、ゆうきは振られても何もなかったかのように私に連絡をしてきた。
そこが嬉しかった。
ある時、ゆうきの家にいる時に、ゆうきが、そろそろ付き合ってくれないと俺どっか行っちゃうよって言ってきた。
その時に、なんか、焦燥感にかられた。
その後に、ゆうきの肩にもたれかかってたら、立ち上がる時と共にそこで初めてキスされた。
ゆうきは自称ヤリチンだったのに、お前のこと好きだからお前には手を出さないって、私にずっと手を出さなかった。
だからそこで初めてキスした。
そのまま、途中までしかけたけど、その日は私は帰った。
後日、私はやっと告白をOKした。
ゆうきの友達や、友達の治安の悪さや、ゆうきのマナーの悪さや、子持ちという見たくない物もたくさんあったけど、私は好きモード、依存モードになってしまった。
付き合ったのは3月だった。
すぐにゆうきの誕生日が来た。
ケーキとゆうきが好きなグラタンを作って、ゆうきの家でお祝いした。
プレゼントでパンツもあげた。
ゆうきは、こんなことされたの初めてって、喜んでくれた。
ゆうきは、典型的な、アダルトチルドレンだった。
だからゆうきが考えてる事がすぐわかったし、自分を見てるみたいだった。
私はゆうきと付き合いながら、ゆうきのことを見下してた。
私の方が上下関係で上だったからだと思う。
ある時、私の女友達と会社の人が付き合った時に、
そのカップルとゆうきと一緒に飲んだ。
会社の人は落ち着いててちゃんとしてたから、ゆうきに対して、もっとちゃんとしろよ、私が恥ずかしいだろって思う事がたくさんあった。
だから、ゆうきを巧妙に黙らせるように、ゆうきが傷つくように、その人と比べる発言をたくさんした。
帰りにゆうきの友達が迎えに来てくれたけど、
ゆうきはひどく泥酔してた。こんなところ初めて見たって友達が言ってた。
私はこうやって、ゆうきに尽くしながらも、ゆうきが傷つく事をよくしてた。
そんな感じで、ゆうきとの付き合いが始まり、3月が終わった。
私は太って誰とも付き合いたくなかったのに、そんな私にゆうきは、
俺はそんなこと気にしねえよ、お前が顔事故って顔くしゃくしゃになっても俺の気持ちは変わらないって言ってくれた。
その時は、は?だからなに?と思ってたけど、今思うと嬉しかった。
ゆうきにはたくさんのデメリットがあったけど、それ以上のまっすぐさがあった。
私はそこに惚れてたのかもしれない。