24歳③

こうやって振り返ってみると、私は本当に壊れたまま生きてたと思う。

誤作動したままずっと生きてた。

私の心と行動のチグハグの中で、相手が混乱したり、私が本当は何を思ってるのか怖くなったり、そういう姿を見るのが好きだった。

なんだろう、私に対して不安になる、そんな姿が嬉しかった。

たくさん誤作動を起こした。

たくさんみんなの前でぶっ壊れた。

引かれる事もした。

後悔も反省も死ぬほどしてきた。

こんな自分の事大嫌いだった。

表面的にしかチヤホヤしない人も大嫌いだった。

チヤホヤされる優越感と、殺意がいつもあった。

優しくされたら、裏切る事をしたくなった。

心がいつもいつもチグハグ。

でも私はこの私を操作することはできなかった。

いつもいつもこの自分で生きて、いろんなことをぶっ壊して

自分をぶっ壊す事を無意識でやめられなかった。

そんな自分にも気づけないまま、刹那的に生きた。

 

過去を振り返ると、こんなにもバグりながら、壊れてた事に改めて気づく。

そして、今も誤作動なまま生きてる自分にも気づく。

 

 

ゆうきと別れて少ししてから、連絡をしたら、会う事になった。

別れる前に約束してた花火をすることになった。

花火をして、普通に会話をした。

ゆうきの家に戻って、ゆうきが私にもたれかかってきた。

色々話してたら、ゆうきは私にこう言った。

俺、お前と戻る気ねーよ。

私は、絶望した。

絶望して、怒りと憎しみがわいた。

とっさにした行動が、泣いたフリをする、だった。

ゆうきの前で泣いた事はなかった。

1mmも涙出なかったけど、お山座りして、顔をふせて、泣いたフリをした。

ゆうきはめちゃくちゃ焦ってた。

私は別れたくないー!!って縋った。

こうしたらいいのか、どうしたらいいのか、考えたとっさの行動だった。

でも結局これは失敗となり、ゆうきの優越感となり、

私は無理やり外に出され、車に乗った。

帰る時ゆうきは、その時やってた総合格闘技の試合が終わったらまた連絡すると言った。

そのままバイバイした。

 

後日、紹介してくれた男から連絡が来た。

お前泣いて縋ったの?って。

ゆうきの口が軽いところが大嫌いだった。

その男は、私に別れを納得させるためか、こんなことを言った。

あいつはお前と付き合ってる時、元カノとご飯行ってたし、大麻吸ってたよって。

 

はえってなった。

裏切られた気持ちになって、腹が立った。

でもその男は、俺が言ったって絶対に言うなって言った。

 

私はゆうきに連絡した。

元カノと連絡とってたんでしょ?

大麻もすってたんだねって。

何が返ってきたか覚えてないけど、私はゆうきの連絡を遮断した。

私の復讐だった。

ゆうきが絶望して、あせって、怒りと憎しみでいっぱいになるのが分かってたから。

ざまーみろと思った。

 

そこからしばらく連絡は取らなかった。

ゆうきは私の地元の男の先輩のことが大嫌いだった。

私はその男の先輩たちと絡むようになった。

 

1か月くらいしてから、ゆうきの試合の日に、頑張ってねと連絡した。

私は自分のした行動が許されるもんだと思ってた。バカだから。

 

返ってきたのは、

まじできめえ!!!という暴言だった。

はえっ、ってなった。

からの、ここから大事件が起きた。

 

ゆうきからたくさんの電話が来て、出たら、

大麻のこと言ったの誰ということをキレながら言われた。

私は仕事中だったし、すごく困った。

そしたら次は、大麻のことを教えてくれた男から連絡が来た。

お前俺が言ったって言っただろ?今、誰が言ったかゆうきは候補あげてて、

俺になってる。

俺の友達関係もあるんだよ、お前どうにかしろよ

と言われた。

 

私は心が真っ暗になった。

死にたくなった。

どうしようってなった。

世界が終わったと思った。

 

その日は会社の飲み会だった。

ゆうきには、飲み会があるから今日は話せないと言った。

ゆうきは私にめちゃくちゃ暴言を吐いた。

 

ブス!!デブ!!!ブタ!!!早く連絡よこせや!!!!

 

この感じを私は知ってた。

私に殺意を向けて手のひら返した人がするやり方。

私は知ってた。手のひら返した人が、私の事をどこまでも傷つけて追い込んでくることを。

私は怖くなった。

 

 

私は普通に会社の飲み会に行った。

大麻を教えてくれた男から連絡が来た。

お前のことゆうきが探しまくってるから気をつけろよって言われた。

まじで怖かった。

ぞっとした。

でもどこかで笑ってる自分もいた。

 

 

なんとか会社の集まりは終わって、帰った。

途中でスマホの電源が切れてて、充電したらたくさん連絡が入ってた。

どうやら、ゆうきは教えてくれた男に説得されて、落ち着いたらしい。

ゆうきは大麻のことを、ゆうきが大嫌いな先輩にチクられたと思って、

殺意をその男の先輩に向けてた。

 

勇気を出してゆうきに電話した。(思わぬ駄洒落

そしたらゆうきは冷静だった。

車で私を探しながら、私を見つけたら、会社の人の前で私の事を公開処刑して散々に言わしてやりたかったらしい。

車でも引こうと思ったって言われた。

私はぞっとしたのと、きっしょって思った。

ゆうきはだんだんと感情的になった。

私はなんて言ったか覚えてないけど、大麻のことを話された犯人を言わなかったから。

元々知ってた、って言っといた。

でも、ゆうきは、まじで言え!!!ブス!!とまた怒り出した。

ゆうきは電話の向こうで、パニックを起こしてた。

イライラしてるのがすごく分かって、こわかった。

言葉で追い詰めてくるゆうきに私は、だから、言えない!!!!!って一言叫んだ。

そしたら、電話の向こうで、

あーーーー!!!!!!!と叫びながら、何かが割れた音がした。

 

(私、知ってたんだよね。

こういう人、が、何をしたらパニック起こしてぶっ壊れるか。

あんたとお父さんはウリ二つにそっくりだったから。)

 

ゆうきは電話の向こうで何か割った。

その癇癪と共に落ち着いた。

あーあ、割っちゃったよって言ってた。

ゆうきは、こういう癇癪のパニックは過去にみんなから裏切られた時に1度こうなったらしい。

 

ここから何話したかは覚えてない。

ただ、もう連絡しない、になった気がする。

SNSも消した。

 

 

間に入ってた男も、お前ら絶対にもう連絡とるな、と言われた。

私は本当はゆうきがまた私に縋りついてくるのを待ってた。

死ぬほど嫌いで殺したやりたいのに、なぜかゆうきを求めてる私がいた。

またゆうきと両想いになりたい、その気持ちもあったけど、

本当は、ゆうきをまた”支配したい”だった。

 

 

私はゆうきとの連絡が途絶えると共に、

元々心理学とか占いは知識があったけど、

引き寄せの法則や潜在意識について猛烈に勉強した。

復縁、というキーワードからそこにたどり着いた。

ココナラもここくらいから始めた気がする。

 

心理学も、ゆうきがきっかけだった。

ゆうきを調べると、アダルトチルドレンというものに繋がるし、

それを調べれば調べるほどに、私自身のことが書かれてた。

生い立ち、親、がこんなにも影響するなんて、私は知らなかったし、

こんなにも私の家庭がおかしいなんていう自覚もそこまでなかったから。

 

 

●キロ痩せる、

潜在意識をやりまくる、

風水をする、

おまじない、

とか、いろいろやった。

 

 

もう1回振り向かせたい、その気持ち一心だった。

私はどんどん壊れてた。

周りの友達からも、ゆうきはもうやめときなってすごく言われたし、呆れられた。

 

 

私の世界からゆうきがいなくなったのは、ものすごい穴だった。

私は飲み会を入れまくった。

飲んで遊んで、埋めようとした。

 

だから、私のSNSは表面的にはすごく楽しそうだった。

ゆうきの事もへっちゃらに忘れてる、そんな風に見せた。

ゆうきが見えるSNSに、わざとその姿をのせたり、

ゆうきだけが見えるように、男との写真ものせた。

 

 

私はとにかく気を引こうとしてた。

 

 

ゆうきを振り向かせようとしながら、

飲み会で休日をうめながら、

会社ではなんとか生きながら、

私は毎日を送ってた。