23歳③
私は会社の人たちと飲み会をするたびに、次の日に我に返って死にたくなった。
色んな人に謝りに行った。
みんな笑顔で許してくれたけど、私はいつも死にたさで怯えてた。
この会社にいる時の私は本当に調子に乗ってたし、イキってたから、この時の自分を思い出すと死にたくなる。
プライベートでは、とにかく飲み会、クラブ、野外フェス、に行きまくった。
いつもいつも大量に飲んで、泥酔した。
誕生日は友達とリムジンを借りて、その後にクラブで泥酔して踊りまくった。
主役だったし、馬鹿みたいに飲みまくって、そのあとに入ったカフェでゲロ吐いた。
私は意識はあったけど、起き上がれなくて、そのまま吐いてしまった。
こんな飲み方ばかりしてた。
夏は、海に行って、そのまま寝ずにクラブに行くとかもした。
遊んで遊んで遊んで、悩む暇もないくらい遊んだ。
だからこの年に撮った写メはどれを見ても楽しそうだった。
会社含め、たくさんの人と出会った。
本当に楽しかった。
でも、日々の仕事はやっぱり人が怖くて私はおとなしかった。
飲み会でどれだけはじけても、会社では静かに別人になってた。
飲み会でどれだけ仲良くなっても、会社では他人のように接してしまう。
すれ違っても声をかけない。
だから相手からしたら絡みにくかったと思う。
会社では天使のようなキャラ。
みんなに優しい。
みんなから愛される。
部長からもお気に入りにされてる。
優越感でたまらなかった。
若手で集まる飲み会の時は、
酔っぱらって、平気でぶりっこしたし、チヤホヤされて調子乗って見下してたし、
ベタベタしたし、勘違いさせるようなことをたっくさんした。
かっこいい人に挟まれて、チヤホヤされて、それを見てくるブスを見て、
それはそれはそれは最高に楽しかった。
日頃我慢してる承認欲求や、長年の劣等感をはらしまくった。
こういう事をする人を本当は嫌いなのに、私は自分を止められなかった。
こんな私が許されたのは、みんなが私という嘘の仮面に騙されて、可愛いと思ってたからだと思う。
当時の私は、これが嘘の自分とか、自分で自分をこうやって上げれば上げるほどにみんなが私に注目してチヤホヤするたびに、自分を生き辛くさせてくることに気が付けなかった。
会社の飲み会で急接近した人とは、仕事で会うと、急に怖くなって、冷たくなったりしてしまった。
自分で近づきすぎた罪悪感から、私は好きじゃないですアピールをした。
私はめちゃくちゃ調子に乗った勘違い野郎だったと思う。
こういう事ばかりしてた。
私は人との距離の取り方が本当に下手だった。
極限まで近づいて、ぱっといなくなる。こんなことばかりしてた。
私の恐怖や恐れからだった。
またあの時の地獄に突き落とされるんじゃないかって怖いのもあった。
彼氏はすぐできるし、別れてもすぐ男から連絡がくるし、飲み会ばっかだし、チヤホヤされる。
私はこういう生き方を送ってた。
ある時、新しい派遣の女の子が入ってきた。
同い年の女の子だった。
その子と仲良くなった。
その子も、私のように劣等感が激しくて、承認欲求の化け物だった。
飲み会では私のように調子に乗ったりぶりっこをしてて、目の前に自分を見てるみたいで抹殺したかった。
だから私はその子を蹴落とすように、その子が過去に太ってて馬鹿にされたことを晒したりした。
私だけがチヤホヤされて、私だけが人気者でいればよかったから、この子は邪魔だった。
でも、仲良くしてた。
でも、やっぱり私の方がうまくやれるから、私は相変わらず愛されて、この子はわかりやすく下手に調子に乗るから嫌われてた。
その後にも、8個上くらいの派遣の女の人が入ってきた。
この人は、こんなに年が離れてるのに、平然と私ともう1人の派遣の女の子の中に入ってきた。
だから3人でよく集まったり、ご飯を食べたり、遊んだりした。
この人は当時の私からしたらおばさんなのに、若手の飲み会とかも平気で来てたから、こいつやべえなって思ってた。
どこかしらでいつも人をバカにしたりしてたから、私は思わず、年考えりんってよく言ってた。婆には強気だった。笑
ちなみにダイエットは、太ったり痩せたりを繰り返してた。
私が晩年ダイエッターなのは結構有名だった。
太っても、なんとか痩せる。これを繰り返していく度に、
太る事が恐怖になっていった。
このチヤホヤされてる世界がなくなってしまう。
みんな私に見向きしなくなる。
こわくてたまらなかった。
色んなストレスから、過食もずっとやめられなかった。
近所に安いお菓子屋さんがあったから、いつもそこで大量にお菓子を買っては、
夜ご飯を食べずに過食した。
私は壊れてたから、なんでストレスないのに過食が止められないんだろうって言ってた。
心、ずっと壊れてるのに。
そして、1月ころに一気に太ってしまった。
体重が数年ぶりに見たことない数字になってしまった。
私は絶句した。
みんなからも、どうしたのって言われた。
私は気力もなくなって、もう終わった、みんな私の事なんてデブと思ってるんだって、やる気がなくなった。
仲の良い男の先輩は、私を見て、本当にやばいと笑った。
私は調子に乗ってたキラキラな自分から、惨めな自分にまた突き落とされそうだった。