25歳③

そういえば夏に高校の男友達とみんなで静岡にキャンプしに行った。

楽しかったなあ。

 

 

25歳になる年の夏は、失恋した後もそのまま駆け抜けた。

お盆休みは、毎日のように飲みに行った。

 

毎日遊びすぎて、私はだんだんと疲れてきた。

体重も増えたし、この自分を晒しながら人と会うのが億劫になってきた。

 

お盆休みの最後の飲み会で、私はなんだか気力がなくなってしまった。

突然の出来事だった。

カラオケで楽しくみんなで盛り上がってたのに、私は何かにとりつかれたように消沈した。

その場でテンションが下がった。

みんなにも、あれ、と思わせてしまったと思う。

 

そこから私は、なんだか一人になりたくなった。

”何してるんだろう”

そんな気持ちに襲われた。

ずっと予定をつめこんで、SNSに投稿しまくっていたけど、

そんな自分がなんだか嫌になってきた。

燃え尽き症候群みたいだった。

そこからじわじわと私の人生はさらに変化していった。

 

 

お盆休みが終わると共に、仕事がまたはじまった。

仕事では、いつも仲良くしてくれる男の先輩がいた。

その先輩は姉妹グループの会社から出向できてる先輩だった。

私の10個上だった。

私がこの会社に来て間もないころ、

売店で過食のお菓子を悩んでる時にはじめて会話をした。

 

どの味のアルフォートにしよう・・

そう迷ってたら、横に気配を感じて、見て見たら、

男の人とバチッ!!!!と目が合った。

私はアルフォートを悩んでるのがバレた気がして恥ずかしくなった。

が、しかし、私は思った。

 

 

”めっちゃタイプの顔やないか”

 

 

もう1回見たら、その人もこっちをちらちら見てた。

私は心の中で、あーあ、この人が同じ部署にいたらいいのに、と思った。

そう思いながら、その人はまだこっちをチラチラみてきた。

 

 

・・・・”!!!

 

私は、その人が同じ部署の人である、そんなことを感じた。

私はみんなの顔を全然覚えてなかったから、もしかしたらこの人は同じ部署だから私の事をチラチラ見てるのかも、と思った。

 

そしたら正解だった。

もう1人一緒に来てた、同じ部署の人に話しかけられた。

それで、3人で休憩することになった。

 

その先輩と話すようになったのはそこからだった。

 

 

その先輩それから、私をよく売店に誘ってくれた。

その先輩もお酒が好きと言ってた。

部署で1番最初に歩み寄ってくれた先輩だった。

その先輩はまた飲みに行こうね!とよく誘ってくれた。

私はその時その先輩に興味がなかったし、いつかいくか~くらいに思ってた。

 

出勤する時にタイミングが会うと一緒に出勤した。

帰りも、その先輩は私が帰るタイミングをはかるように、帰りが一緒になる事があった。

その時に、私は、一人暮らしですか?って聞いた。

先輩は、や!俺嫁いる!と言った。

私はなんだこいつって思った。

 

嫁、いるんかーーーーい。

 

私は不倫とか考えられなかったから、一瞬で対象外になった。

先輩は、嫁とは結婚したの間違えたねってお互い言ってて、関係は冷めてる!!って言ってた。

子供もいなくて、ずっとそういうこともしてないって。

 

私は、だから何。と思いつつ、

そんな悲しい結婚生活もあるんだなって思った。

 

 

お盆が終わって、週末になった時に、前の飲み友達と映画に行く事になった。

なのに!!!

私はギリギリでドタキャンされた。

その飲み友達の男は、過去に私の事が好きだったけど、私が彼氏がいたことを内緒にしてた人だった。

なんか、その時の復讐?と思う事がよくあったんだけど、確信を得た時だった。

チキショー、やられた。クッソむかつくわー!!!!死ね!!!
と、思いながら私は過食した。

 

 

満たされない、この気持ちをどうにかしたい、誰かに会いたい!!!と思った。

そしたら、あの既婚者の先輩が頭に浮かんだ。

飲み行くくらいいいよねって思った。

 

私はラインした。

その先輩は、仕事中だったけど、終わったらすぐ行ける!とのことだった。

私はその先輩と飲むことになった。

 

 

たつくんと初めて飲んだ日のことだった。

 

25歳②

私ってもしかして生き方がずっと変わってないんじゃないの、と過去を振り返りながらそう思った。

私って愛されたかったはずなのに、温かい家庭が理想だったはずなのに、

実は人を壊したかったし、不幸に陥れたかったんじゃないのって思った。

傷付けて裏切って笑いたい自分と、そんな私を本当に嫌われてしまう恐怖。

小さい頃のお母さんやお兄ちゃんへの行動とよく似てる。

私はやる事が変わってないのだと思う。

私は何がしたかったんだろうか。

本当は何がしたかったの?

人を壊したかったの?支配したかったの?

どうして自ら破滅の道をあえて選ぶの?

誤作動を起こしてしまうの?

 

今まで私は自分は珍しい最悪な人生の持ち主だと思ってた。

でもだんだん、案外、自分がこうしたくて、わざとだったんではないかと思うようになってきた。

 

私は何したい?

 

 

 

 

 

新しい職場が始まって、私はしばらく止まってた過食が復活した。

帰る時にコンビニでお菓子を大量に買うことから、

会社の売店で買って、ロッカーで食べるまでに進化していった。

 

同じグループのおじさんはみんな優しかった。

ミスしても怒らなかった。

隣の引継ぎの女性は、きっとADHDだったけど、その人も優しかった。

その人はバツ1で、過去に鬱で髪の毛が全部なくなったことがあって、

すごくきれい好きで、几帳面で、

子供に対してヒステリックに怒ってしまう、

旦那に腹が立って、洗濯機を壊した、とか言ってた。

私はなんとなく察した。

 

私が仕事で横にくる女性はいつも傷ついた人が多かった。

 

 

仕事ではミスしまくった。

まー本当にどうしてこんなにミスするの、ってくらいミスした。

上司にもあきれられてた。

でも優しかった。

私は罪悪感と申し訳なさで、週末いつも泥酔するか、帰ってから過食した。

 

部長は私にすごく優しかった。

いつも部長に好かれた。

でも、スカート短い事をいつもいじってきた。

セクハラもパワハラも豪快にする人だった。

 

 

部署は変な人がたくさんいた。

鬱の人、発達障害だろって人、パワハラを豪快にする人、仕事ができない人。

どこの部署にも邪魔となる人が、最後に残れる部署だった。

私は本当にくじ運がいいよなあ、と自分の引き寄せてしまうものに苦笑した。

 

 

部内の女性は、私のこと嫌いだったと思う。

全然絡みがなかった。

みんな人の悪口を言う人だということを、風のうわさで聞いた。

私すごく言われてるだろうなって思った。

 

 

仕事はなんとかやめずに続いた。

夏が来た。

 

あ、夏が来る前に、たまたまゆうきの元カノが働いてる服屋に友達と行った。

スマホで写メを確認しながら、あいつか、ブスやんって笑った。

そしたら、その日にゆうきから電話が来た。

ラインブロックされてたから、番号で電話が来た。

 

おめえ俺の女の店に行ったらしいやん?まじできめーんだけど。

やめてくれん?

 

って言われた。

私は心臓がバクバクした。

手が震えた。

 

 

でも、は?なんのこと?イオンにはいったけどお前の女とか知らん

と言った。

 

 

そしたら、

イオンに行ったとかいってやがるwwうけるww

お前マジできめーなwwww

 

と、言ってきた。

 

こいつは煽り方を良く知ってる。

本当に腹が立って殺したくなった。

だから、

 

お前いつまで好かれてると思ってんの?

お前のことなんて興味ないから

いつまでも勘違いしてんじゃねーよきっしょ

 

 

と言って、電話を切って着拒した。

 

キレてるだろうな、悪口言いまくってるだろうな、言いふらされてるだろうなって思った。

でもなんか、もうどうでもよかった。

ゆうきはここで完全に終わった。

 

 

地元の先輩とは、酔った勢いで営んでから、何回か遊んだ。

いつも車を出してくれて、おごってくれて、

バイクにも乗せてくれて、仕事の人にも会わせてくれた。

 

でもちょっと、支配欲というか、駆け引きが多い人だった。

だから私はだんだんと、離れていかれる恐怖に襲われて、気を使うようになった。

 

先輩の事は、地元の女の先輩が相談に乗ってくれた。

 

でも結局、この先輩とはうまくいかなかった。

だんだんと、先輩が離れてくのが分かった。

私は、あえて男友達との写メをSNSにたくさん乗せた。

先輩はむかついたと思う。

私はいつもこういう事をしてしまう。

 

私は女の先輩から、この先輩が、

私の事は好きだったけど、重くて、申し訳ないけど俺には無理、

でもなんかかわいそうで

 

と言ってたらしい。

 

 

私は絶望した。

またか。

そんな気持ちだった。

 

後日、ラインで気持ちを伝えたら、やっぱり振られた。

私は何となく、復讐も兼ねてると思った。

 

でも、なんかどうでもよかった。

ちょうど、その先輩に可愛い彼女ができた。

 

他の地元の先輩とたくさん遊ぶようになった。

 

失恋した日は、女の先輩と夜の海に行った。

泣かないでって言われた。

 

 

てめえは彼氏できた事ねえしこういう悲しみもわかんねえのか、死ね、

と、思いながら、我慢するぅ、と言っといた。

 

はーあ、また噂話にされる。

このパターンがはじまる。

何を言われるんだろう、怖かった。

 

いつもこのパターンなんだよね。

 

私が振られて、噂話にされる。

私が1番恐れてて、傷となってること。

私はなぜかいつも繰り返してしまう。

 

 

でも、なぜかそんなには広まらなかった。

 

夏が来た。

振られた先輩以外の地元の先輩とたくさん飲むようになった。

その中にいつもいる、ゆうきの友達でもあった、女の子(じゅんちゃん)

といつも一緒にいるようになった。

たくさん泥酔した。

たくさんみんなを振り回した。

 

みんなで島に行ってジェットもした。

死ぬほど楽しかった。

 

いつも酔っぱらってた。

 

 

あ、また思い出した。

あの先輩に振られてから、高校の時3年間一緒だったやつを酔っぱらった勢いで呼び出して、体の関係を1回してしまった。

まじでヤケクソだった。

次の日になって我に返って、なんか悔しくて惨めで、ホテル代を無言で全部払わせた。

そいつとはそれっきりやってない。

 

私は何がしたかったんだろう。

はっちゃめちゃだな、本当。

 

 

 

25歳①

仕事を辞めて春が来た。

私はあちこちのキャバクラを転々とした。

1日体験は時給が良かったから。

 

ある時、キャバクラで働いてたら、私を指名したおじさんが、

私が無意識で指の皮をめくって指が傷らだらけになってるのに気が付いて、

無理して笑わないでって言ってきた。

私は胸にガツンときた。

その宅ではみんな客とイチャイチャしてたけど、私はおっさんとイチャイチャするのがすごく無理だった。

でもそのおっさんは全てを分かってくれてたように、大丈夫だよって言ってくれた。

 

 

キャバで働いたりしながら、私はまた人間関係が変わっていった。

ホワイトニングで通ってたとこに働いてる女の子が、タメだった。

その子は隣の中学校のヤンキーだった女の子だった。

顔がめちゃくちゃタイプで可愛くて何回か飲みに行ったけど、途中から私はなんか逃げたくなって、疎遠になった。

 

私の友達の治安がだんだんと悪くなった。

ゆうきを見て嫌悪感でいっぱいだったはずなのに。

 

ニートしてる間、地元の女の子たちと、女子会みたいなパーティに行った。

私はその時、ダイエット薬を飲んでて、お酒を飲んじゃいけなかったのに、

忘れてバカすか飲んでしまった。

悪よいした私は、同じ場所にいた女の子を見下したりバカにしたりした。

 

そして、主催の女の子にベタベタした。

なんか、すごく攻撃的な気分だった。

みんな次の日仕事だから帰ると言った。

でも、私は無視し続けた。

私の名前を大声で呼ばれたけど、私はその場から離れなかった。

私、なにしてたんだろう。

思い出すと恥ずかしくてまた死にたくなる。

 

そして、意識がはっとしたら、トイレで吐きまくってた。

店はもう閉まるところだった。

主催の女の子が介護してくれた。

私は人が変わったように、ごめんなさいごめんなさいって言ってた。

その主催の子が男も女もいけることを知ってた。

私は女の子ってどんなんだろうって思った。

だからその女の子に思いきり甘えた。

そしたらたくさんキスをされた。

その女の子が、ホテルに行こうといった。

いいよといったけど、私はとてもじゃないけどフラフラだった。

結局女の子がお客の男を呼んでくれて、家に帰れた。

車の中で女の子はその男ともめてた。

私は喧嘩しないでって言ってた。

 

不思議な夜だった。

女の子は家の前まできてくれて、最後にまたキスをした。

 

 

愛情深い女の子だと思った。

次の日シラフになって、友達への罪悪感、やっちまったかん、

急に女の子が気持ち悪くなってしまった感、などに襲われた。

女の子にはラインで謝罪した。

全然許してくれて、何回かお誘いにあったけど、それ以来、連絡をとらなくなった。

ごめんなさいでいっぱいだった。

 

 

他にも、地元の先輩とたくさん飲むようになった。

地元の先輩は元ヤンキーの軍団で、ゆうきが嫌ってた人達。

その先輩たちと飲むたびに私は泥酔した。

 

一人の男の先輩の家に行って、やりかけた。

でも私はめんどくさくなって、そのまま寝た。

 

高2の時の自分に戻ったようだった。

私は本能がままにつきすすんだ。

 

 

アプリで出会った男とも何回か遊んだけど、

途中で冷めて気持ち悪くなって、なんかする事もなく終わった。

 

 

GWには地元の先輩たちに誘われてBBQをした。

その中には、地元の中学で有名だった先輩がいた。

私は直感で、この人と仲良くなったらゆうきはめちゃくちゃ絶望するだろうと思った。

その人が私に興味をもってたのも分かってたから。

昼から夜まで飲んで、最後にカラオケに行った時、私はタカが外れたように、

みんなの前でその男の先輩とキスをした。

思い出すとまじで死にたくなる。

そのあと、残った人でバーに行って、変えるフリして、その先輩とホテルに行った。

勢いでやってしまった。

 

次の日家に帰って、やべえ・・・・・となった。

やっちゃった・・どうしよう。

先輩に、絶対に内緒にしててって言った。

 

そして、この先輩をどうにかして彼氏にさせたいと思った。

それは、ゆうきへの復讐でもあったし、

体をささげておいて、付き合えなかったら自分が惨めだと思ったから。

 

 

そんなこんなで、5月になってから、新しい職場で働くことになった。

また派遣の事務員だった。

私はニートの休憩してる間に、結構痩せたから自分にまた少しずつ自信があった。

 

 

あ、そういえば、この職場の前に、一瞬、違う職場で働こうとしたけど、

最初の日に帰ってからパニックを起こして、1日でやめてしまった。

ひどく病んだ。

 

 

新しい職場は、雰囲気は良かった。

年齢層が高めだった。

初めての挨拶はものすごく緊張した。

おばさんからスカートが短いと言われた。

私は、は?って思ってたけど、

今思うと短かったと思う、死にたい。

 

 

この職場で、たつくんと出会う事になる。

でも私はまだ、地元の先輩の事が好きだったから、

この会社で恋愛する気は全くなかった。

 

 

 

24歳⑥

そういえば家の中のことを忘れてた。

 

家の中は、変わらずお父さんとおばあちゃんが認知症だった。

このころには完璧に両方がひどくなってたと思う。

お父さんもおばあちゃんも食事やトイレでいろいろやらかす。

そしてお母さんがぶちぎれたり、ヒステリックを起こす。

施設に入れたら、と言うとあんたは何も分かってないしそんなお金はないと言われる。

私はずっと手伝わなかった。

見たくなかった。

触れたくなかった。

助けたい気持ちもあったけどそのきもちも殺した。

 

結果的に家の中への関心は無だった。

 

おばあちゃんはよく、ボケて憎しみを独り言でぼそぼそ念仏のように唱えてた。

それがたまらなくうざかった。

口をくちゃくちゃするのもうざかった。

 

お父さんは私の目を見て、目が合うと微笑んだ。

 

私はそのほほえみで今までの出来事がフラッシュバックされた。

だから辛くて、怒りがわいて、こっちみんな!!!と叫んだ。

 

お父さんはそれに対して怒ったり、悲しそうだった。

 

 

私はなんだか心が壊れそうだった。

壊れそうだったから、見ないようにしないといけなかった。

 

死にたくなるから。

悲しさに襲われてしまうから。

 

 

家の中のことは誰にも言えなかった。

 

 

24歳⑤

この時のことを思い出すと、恥ずかしくて、申し訳なくて、死にたくなる。

誰が知ってるんだろう、誰が笑ってるんだろう、

私の事変なやつと思われてるんだな、

変な噂たったんだろうなって。

その女の子は、後日、その女の子も上司に言うために、私の名前を出していいかと聞いてきた。

私はいいよ、と言った。

でも、結局その女の事は、その後遊んだり連絡をとったりはしなかった。

私はどこで利用されて裏切られたんだろうか、

それとも信じたままで良くて、被害妄想なのだろうか、

もう訳が分からなかった。

疲れた、本当に疲れた、何も見たくない。そういう気持ちだった。

 

私はどうしてこんなに誤作動を繰り返してしまうのだろう。

なぜあえて嫌われる事や引かれる事をしてしまうんだろう。

なんでこっちの道を選んでしまうんだろう。

自らそうしてしまうことが、分からなかった。

なぜか、いつも破壊の道を歩んでしまう。

 

 

 

そんな感じで私の派遣生活は終わった。

 

ゆうきの事含め、私は激しく消耗した。

無気力で死にたかった。

 

ゆうきの時もだけど、

結局私がしたことは忘れられて、変でダメな奴で笑われて捨てられるんだ、

この気持ちに襲われた。

少し休憩しようと思った。

 

私は髪の毛を金髪にした。

 

 

後日、部長がご飯会を開いてくれた。

秘書さんと3人だった。

高いお店だった。

金髪になった私を見て二人はびっくりしてた。

私は少しふっきれたからか、元気そうに話した。

もっとしょんぼりしといた方が良かったかもしれない。

 

 

部長は私がなんでやめたかとか聞かずにいてくれた。

部長なりの優しさだったんだと思う。

本当は聞いてほしかった。

 

しかも私はこの飲み会にも遅刻していった。

私は遅刻癖がひどかった。

本当申し訳なかった。ごめんなさい。

 

 

秘書さんとは後日、ランチをした。

ここでも遅刻した・・

本当にごめんなさい・・・。。。

 

 

 

秘書さんは、独身だけど、旦那さんだった人が同じ会社にいて、

不倫をして出てったという事を聞いた。

だからせめてものので、籍をそのままにしてると言ってた。

涙を流してた。

いつも笑って華やかで優しくて、上品で強い女性だったから、私もなきそうになった。

秘書さんはいつも私に、常務のおみやげのお菓子をくれたり、

私がお芋好きだからお芋のお菓子をくれたり、

ネイルのグッズをくれたり、髪の毛がしっとするキャップをくれたりした。

だけど私はいつも喜んでもらってたのに、感想を言ったりしなかった。

私はいつも誰かがしてくれることを、私なんかが喜んでも、別にたいしたことないよね、みたいな気持ちがあったから。

今思うと、失礼なことしてたなって思う。

秘書さんにはずっと申し訳ない気持ちでいっぱい。

 

 

 

会社の女の人たちだって、私に優しかった。

たくさん話しかけてくれたり、歩み寄ってくれた。

でも派遣の女の子が悪口を言われてると聞いてから信じられなくなった。

私の殺意が伝わったんだろうか。

いつからだっけ。

私は申し訳ない気持ちにもなった。

色んな人が私にしてくれたことを恩をあだにして返したんだろうか。

私はまた自分の殺意で人の優しさを壊して、嫌われたんだろうか。

何も考えたくなくなった。

 

 

そうやって、1年が終わろうとしてた。

私はニートになった。

 

会社をやめてから、私のファンクラブだった人から連絡が来た。

飲むことになった。

私はまた泥酔した。

酔っぱらいながら、飲み屋で地元の先輩たちがいたから、そっちに行きたくなった。

あの時の私は本能がままに生きてたから、会社の人とは早めに解散した。

解散する時、ぎゅーとかちゅーをせまったと思う。

本当バカだよね、でも私は泥酔するとすぐこうなってしまう。

前の会社の人なのに。狭いところですぐこういうことをしてしまう。

バレるのが怖いくせに。

 

ハンド部の人にも酔った勢いでほっぺちゅーをしたことがあった。

ハンド部の人と飲みながら、つまらなくなって、態度で全開に出したりもした。

なんであんなことしたんだろう。

ほんと、恥ずかしくなる。

どうしたんだろう、という視線を思い出すと、恥ずかしさと申し訳なさでいっぱいになる。

だからこそ、同じ室の憧れだったハンド部の先輩に、近づかなかった。

こんな私はダメだと思ってたから。

全てバレた時、幻滅されて引かれると思ったから。

その先輩は無事に彼女ができて、結婚した。

 

 

地元のせんぱいたちと合流する時、私は何回も電話で呼び出した。

酔っぱらった私は狂ってしまう。

恥ずかしさもなにもなかった。

早く来てよ、ただそれだけ。

それで合流して、一緒に飲んだ。

 

 

はあ、壊れてたな。

本当に壊れてた。

なんであんな生き方してたんだっけ。

 

私は心の回復や治療を少しもせずにいたからだ。

 

 

すごいなあ、色々。

 

そうやって4月を迎えた。