中学校3年生①

そういえば昔から私の家では決まりがたくさんあった。

4つ足の肉を食べちゃいけない。

(だから焼肉は小学校高学年で初めて食べたし、牛肉が家で出なかった)

暗くなる前に帰ってこないといけない。

思い出せないけど、お父さんの神職系の決まりごとがいくつかあった。

そのせいで、友達とのギャップや、友達に驚かれたり、恥をかくことがあった。

将来はそういうのを押し付けずに、周りから浮かない子にしてあげたい。

 

 

中3になった。

クラス替えで、前の女の子たちとは棟が離れ離れになった。

おかげで、学校に行くようになった。

中2に比べて、気が晴れるようになった。

顔見知りの女の子がいて、仲良くなった。まりという子だった。

まりは級長をしたり、目が大きくてかわいらしい女の子で、

部活も頑張ってて、友達もたくさんみたいな子だった。

その子とよく一緒にいた。

 

中3になって受験になった。

 

 

私は塾に通う事になった。

夏は10万くらいかけて、集中で頑張った。

私は今思えば病気か、ストレスで毎日体がクタクタで塾の前のいつも栄養ドリンクを飲んで塾長に若いのにって言われてた。

 

行きたい高校はこれというものはなかった。

私はいつも自分が何をしたいのかどれがいいのか分からなかった。

いつも他者からどう評価されるか、ばかり考えていたから。

だから、行くとしたら校則がゆるいところ、と思ってた。

公立だと頭が良いところだったから、バカでオール3もないのにそこに行くと言った。

もちろんあっけなく無理だった。

結局、高校の体験で行った私立の高校にひかれて、そこに行く事にした。

公立の高校は今の中学と同じ匂いがした。

地味でまじめでださいにおい。

でも私が行く私立はキラキラしてて、すごく楽しそうだった。

体験では、調理部の体験を選んでマフィンを作った。

 

 

勉強は私にとって大変だった。

友達も同じ塾に通う事になった。

私なりに一生懸命頑張っても、順位は真ん中より少し前、くらいしかいけなかった。

どう頑張っても、ダメだった。

1番仲の良かったまりは、いつも順位が1ケタだった。

どうしたらそんなに頭が良くなれるのか分からなかった。

私はテストの順位を見て、大泣きする事があった。

友達から、???って目で見られてた。

私の情緒不安定なんて、所見の人からしたら訳が分からないよね。

私はいつも謎の焦燥感に追われてた。

いい点数とらなきゃ、いい順位とらなきゃ、そうしないと世界が終わってしまう、そんな気持ち。

今思えばこの焦燥感は、バイトにも、仕事にも、貯金にも、恋愛にも、結婚にも、ダイエットにも、全て共通して感じてた。

いつも自分を追い詰めて、パニックになってた。

 

毎日毎日、勉強、受験。

そりゃそうなんだけど、ストレスだった。

私は毎日が辛くて地獄だったからあれが普通だったけど、

あんなに心がぐしゃぐしゃで学校もなじめなくて家にも居場所がなくて、

自分の病気ですら後回しにして興味がなかった私だから、

勉強なんて、わずらわしくて、それどころじゃなかったんだと思う。

大人になってから、血糖値が下がってくる時、低い時にイライラして集中できなくなるとか、この時に糖質を少し摂取するとイライラが和らぐとかできるようになってきたけど、あの時の私には到底できなかった。

 

血糖値にもふりまわされながら、毎日を生きるのはしんどかった。

しんどいことだらけ、それが私の人生。

 

 

中3のクラスは、中2の時より楽しかった。

あいりのような陰湿ないじめをする奴はいなかった。

クラスの人ともだいぶ話すようになった。

私はふざけたり、冗談を言えるようになってきた。

 

 

友達関係は、ありさという美人な子と一緒に通学することが増えた。

ありさはお金持ちでお母さんが綺麗だった。

でも、マイペースすぎて、いつもありさの家をピンポンしても出てくるのが遅すぎて、

一緒に学校まで走る事ばかりだったから、ストレスだった。

ありさと修学旅行のディズニーを一緒に回ったな。

私はありさのこと大好きだった。

よく一緒に遊んだ。

でも、成人式の時に裏切られて心の底から無理になったけど。

ありさは高校も一緒だった。

先生に、ありさが行くからかなえも行くんだと思ったと言われた。

そうじゃなかったけど、ありさが教えてくれなかったから、私は行ってなかった。

ありさは、いつもおっとりしてるのに、たまにとんでもない悪魔が出て、

悪口言ったり、人を見下したりしてた。

 

 

中3の記憶・・・もあんまりない。

楽しかった、でも暗くて、地獄。

 

 

あ、思い出した。

よく死にたくなってた。

どれが原因だったかは覚えてない。

多分、家の中のことだったと思う。

私は血糖測定で使う針でリストカットをしてた。

リストカットというか、リストカットもどきをしてた。

それをまりに見せて、死にたくなるって言った。

まりは、なんて言ったら分からなさそうにしながら、そんな事言わないでって言ってた。

私はまりと一緒にいたけど、まりの事が大嫌いだったと思う。

みんなから好かれてる自分、勉強できて級長をしてる自分に酔ってる気がしたから。

男にチヤホヤされて、クールなふりしながらめっちゃ喜んでるのも私は気に食わなかった。

まりの家はお母さんがめちゃくちゃ厳しかった。

まりは癇癪を起して壁を殴ったりすることがあるらしくて、壁に大きな穴があいてたのと、

大量のチョコの銀紙が落ちてた。

 

 

他の友達とも、その子のおうちに行ったり、遊んだり、カフェに行ったり、

わざわざ電車でイオンに行ったり、メイクをしたり、してた。

 

メイクで思い出したけど、中2の時みんながメイクを教えてっていうから、

やってあげたら、私だけバレて、怒られた。あのホクロクソババアに。

あいつは本当にうざかったな。

 

 

修学旅行も楽しかった。

中2の真っ暗な私はだいぶ消えてた。

まりは彼氏とディズニーを回ってたな。羨ましかったな。

真っ黒のじゃがいもみたいなやつでどこがいいのか分からなかったけど。

 

 

あと、男子たちがプールの時間に女子の水着姿を見ながら、体系をジャッジしてるのを見た。

私は自分を隠すのに必死だった。

デブって思われてるだろうなって思ってた。

小学校の時から、自分磨きというものをその年齢なりにしてたけど、

中3になって、初めて食べないというダイエットをした。

あっという間に痩せた。

でも、私は食べないのに、インスリンを打ってたから、毎日低血糖になった。

倒れそうで、何回もつまづいて、保健室に行った。

 

痩せないといけない。こんな自分ではいけない。

そう思ってた。

あっという間に痩せていくのは快感だった。

修学旅行から戻ってきて、自分が買ったおみやげを一口食べたら、革命が起きた。

手が止まらなくて、一瞬で食べた。

足らなくて、手当たり次第に食べた。

摂食障害がはじまった時だった。